猿沢宿(村上市)概要: 猿沢宿は出羽街道の宿場町で、街道沿いには木造2階建、切妻、桟瓦葺、妻入の民家が軒を連ねます。一般的な都市部で見られる町屋とは異なり、敷地間口にやや余裕が感じられ独特の町並みを形成しています。建物自体は比較的新しいようですが宿場町の雰囲気は継承されているようです。又、大満虚空蔵尊の門前町も兼ねていたようで、出羽街道の他の宿場に比べると規模が大きいと思われます。
大満虚空蔵尊: 大満虚空蔵尊(新潟県村上市)は天平2年(730)、行基菩薩(奈良時代の高僧)が全国巡錫で猿沢の地を訪れた際、住民が生活に困窮していたのを見かね、自ら背後の山頂まで登り彫刻した虚空蔵菩薩像を安置し、祈祷を捧げ住民達を救ったと伝えられています。大満虚空蔵尊の霊験が広く知られるようになると歴代領主からも崇敬庇護され寺運も隆盛しました。ただし、山頂は女人禁制の聖地だった事から女性の信者は山頂まで登る事が許されず、元和4年(1618)に当時の村上城の城主堀直寄が現在地に遥拝殿を造営しました。その後、本尊の虚空蔵菩薩像は遥拝殿に移され、秘仏として12年毎に御開帳となっています。特に智恵・福徳に御利益があり丑寅年生まれの守り本尊として信仰され、毎年4月13日の春の例大祭と10月23日の秋の例大祭では大護摩祈祷が行われています。
|